ぷかぷか日記

生きているものたちの笑う声/話すことば

朝の会で旅行の時に歌う「森は生きている」の練習をしました。しみじみいい歌だなと思います。

 

♩ 森は生きている/風だって雲だって/小川のせせらぎだって/生きている
  森は生きている/ 氷に閉ざされた/まつゆきそうだって/生きている
  森と空を/ 私は見た/ 生きているものたちの笑う声/話すことば

  燃えている火よ/あふれる力よ/森は生きている/森は生きている 

 

この歌はオペラ『森は生きている』で歌われているものです。このオペラを昨年ワークショップで取り上げてみようと思ったのは、歌がすばらしいのと、生きているものへの姿勢に共感したからです。これを通して「ぷかぷか」の命への姿勢を伝えたいと思ったからです。

  生きているものたちの笑う声/話すことば

 この歌を初めて聞いたとき、まわりにいる子どもたちの笑う声、話す言葉と重なって、なんだか涙が出そうになりました。

 そういう気持ちがぷかぷかのメッセージを生みました。右側の部分です。

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健康な命を未来に引き継いでいきたい。

子どもたちの笑う声、話すことばがいつまでも元気に響いていて欲しい。

ただただそれを願っています。

 

 

 

 

眞由美さんとこんなおつきあいしてたよ

 毎日のように家族でぷかぷかに来てくれる方から、「眞由美さんとこんなおつきあいしてたよ」っていううれしいメールが来ました。
 
             ●●●
 
眞由美さんのあまりにも突然の訃報に、ただただ信じられずにいます。
 
昨年12月の「クリスマスツリーを作ろう」ワークショップ参加をきっかけに
眞由美さんと急接近しました。
森に向かう道のりで、何処に住んでいて何時に出勤して等、普段の生活を話してくれて、メンバーさん達の日常を初めて知った瞬間でした。
 
それ以来、ぷかぷか三軒長屋で私達家族に会うと必ずといっていい程、声をかけてくれて、バスの中で偶然会うと挨拶するようになりました。
「このまえ、バスでパパに会ったよ」なんて、私に言ってきてくれることも。
 
でも、眞由美さんから娘達にアタックしてくれるものの、なかなか自分の殻をやぶれない娘たちとは、まだ眞由美さんと距離があるなと思っていた今年の6月頃だったか、貴代子が「まゆみさん、まゆみさん」と初めてメンバーさんの名前を口にするようになりました。凄く嬉しかった〜。
そして、ワークショップでは絵を書いてる眞由美さんに話しかけ、一枚の壁が取り払われたようで、すごく私自身喜んだことを覚えています。
「これから、もっともっと近づいていけるといいな」と思っていました。
 
出しゃばりだとは思ったのですが、写真を撮った当初から「いい笑顔だな」と思っていた眞由美さんの写真があるので高崎さんに送ります。実は貴代子が撮ったものなんです。貴代子のカメラだったからこんないい笑顔してくれたのかな。なんて勝手思ってます。

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絵を描いている眞由美さんと貴代子が会話している動画もあって後日お渡しします。
眞由美さんと自然に会話ができていて、私達の大好きな動画で、高崎さんにもみてもらいたいと思ってます。
 
いつもみたいに「今日もメロンパン食べてるの!」「ごまっこパン全部食べたの!凄いね〜」とか言いながら、旅立った天国からも、笑いながら私達家族の事を眺めてくれていたら嬉しいなと思うばかりです。
 
             ●●●
 
こんな関係を自分でしっかり作っていた眞由美さんてすごい人だったんだなぁとあらためて思いました。写真は眞由美さんと貴代ちゃんの関係がとてもよく見えます。私にはこんな表情の眞由美さんは一枚も撮れませんでした。
 
 眞由美さん、見てくれてますか? この写真、貴代ちゃんが撮ってくれたんですよ。まゆみさんの貴代ちゃんに向かうやさしい思いがそのまま出ていますね。
 
 
 

社会に目を向ける企業

 城南信用金庫の元理事長が理事長を辞めるとき、こんなことを言ってます。

《 企業の目的は、利益の拡大ではなく社会貢献です。会社の憲法である定款の目的には、利益の拡大とは書いてありません。企業は、定款に記された様々な事業を実施することにより世のため、人の幸せのために活動するという公的な使命があるのです。(城南信用金庫相談役=吉原毅)》

《「企業は社会に貢献するためにある」という観点から、「東日本大震災」「原発事故」などにも、逃げることなく、真剣に立ち向かいました。》

《社会貢献、社会福祉など、一般企業が目を向けない社会的な分野にあえて焦点をおいて、「みんなが仲良く安心して暮らせる社会」の実現に努めてきました。逆に、そうした社会的な視野や発想が、本業である金融分野でも、新たな事業や商品、人と人との強い絆を生み出しました。》

すばらしい理念を持った銀行だと思います。

企業というのは本来こうあるべきだと思います。社会あっての企業なのですから、社会が不健康だと、企業も不健康になります。

一方で社会に全く目を向けない企業も数え切れないくらいあります。

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 なんか悲しいですね。命を育むはずの食べ物が、命を傷つけています。となると、これって犯罪じゃないですか。

 

 そんな中でぷかぷかはどこまでも命を大事にしたいと思っています。

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ずっとずっと眞由美さんのこと忘れないよ

 眞由美さん、今、どのあたりを旅してますか?

 眞由美さんの突然の旅立ちに、みんなびっくりしました。でも、こういった悲しいことが突然やってくることも、人生。そんなことを一番年上の眞由美さんは、若いメンバーさんたちに教えてくれたのかな、とも思って自分を納得させています。

 すばらしい刺繍をたくさん残してくれましたね。ぷかぷかの大事な大事な財産です。眞由美さんがこうやって自分の人生を生きたこと、それが刺繍の形でしっかり残っています。

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 わんどが開店した2月から始めて、わずか5ヶ月でこんなにうまくなったの?と、7月のマルシェにやってきたマザーズの社長は絶賛してましたね。内輪のスタッフではなく、社会の中で厳しい商売をしている会社の社長の評価ですから、眞由美さんの腕は本物だと思います。

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 毎日のように眞由美さんの刺繍をやっている姿を写真に撮りましたが、刺繍に集中するまゆみさんの横顔は、近寄りがたいような気迫がありました。

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  きびしい仕事人の顔ですね。こんな顔してやった仕事だからこそ、マザーズの社長が絶賛するほどの刺繍ができたのだと思います。

 ほんとうに毎日が「いい一日」でしたね。そんなふうに輝く日々があったこと、それをぷかぷかの中で作り出したこと、それがなによりもすばらしかったと思います。

 

 眞由美さんは子どもが好きでしたね。その思いがいっぱい詰まった「アンパンマン」、カフェで子どもたちに大人気でした。子どもたちは眞由美さんの思いを素直に受け止めたんだと思います。子どもたちを動かすほどの、まゆみさんの「思い」を思いました。

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  カフェのコースターの刺繍もやってくれましたね。毎日お客さんの心を癒やしていますよ。

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 頭を坊主にしたときはびっくりしました。しかも数日後には金髪に染めてきたので、よほどの決意があったのではないかと思いました。自分があんなふうに坊主になれるだろうかと考えたとき、ようやくまゆみさんの、新しい自分に生まれ変わろうとする決意の深さが見えた気がしました。機会見つけてそのあたりの話をしようと思っていたのですが、それができないまま眞由美さんは旅立ってしまいました。あのときの決意はなんだったのかなぁって、時々考えます。

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 眞由美さんが旅立ってしまったことはとても悲しいことですが、眞由美さんが残してくれたたくさんの刺繍、日々の思いでを手がかりに、私たちは前を向いて生きていきます。まゆみさんのことを思い出しながら…。8月末にあるぷかぷか旅行にも、眞由美さんの作った刺繍持って行こうと思っています。

 そうそう、旅の途中で「銀河鉄道」の停車場があったら、ぜひ立ち寄って下さい。去年旅立った「しんごっち」に会えるかも知れませんよ。「しんごっち展」大盛況だったよって伝えて下さい。

 

 いつまでも、ずっとずっと眞由美さんのこと忘れないよ。

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★8月16日夜、入院中だった新井眞由美さんは急性心不全で亡くなりました。享年41歳でした。オーダーメイドのTシャツの刺繍を毎日やっていました。彼女の仕事は若いメンバーさんが引き継ぎます。 

 

 

珠美さんに脱帽

 昔子どもの保育園でいっしょだった全盲の珠美さんがお母さんといっしょにぷかぷかへやってきました。昔私が撮ってパネルにしてプレゼントした写真を持ってきました。5歳の頃の写真です。保母さんに読んでもらった絵本を手でなぞっています。 

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 目のガンで、眼球を両眼とも摘出し、4歳で世界を見ることができなくなりました。摘出手術の前、お母さんは珠美さんに

 「私の顔をしっかり覚えてて!」

って泣きながらいうしかなかった、とお母さんはその頃の辛い話をいっぱいしてくれました。

 そんな辛い話をはねのけるように珠美さんは毎日元気いっぱいに保育園の中を走り回っていました。あちこち段差があったり、階段があったりで、なんの配慮もない保育園でしたが、まぁ、そんなの関係ない!って雰囲気でしたね。太鼓をたたいていた写真も持ってきました。 

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 あれから15年。今、大学附属視覚特別支援学校に通う元気なお姉さんになっていました。池袋にはしょっちゅう遊びに行くそうで、地下街なら車の心配がないので、一人で歩き回ってショッピングしたりして楽しんでるそうです。地下街で方向がわからなくなり、迷子になることの多い私は、目をつぶって一人で地下街を歩き回るという珠美さんがなんだかスパーマンのように見えました。

 もうすぐ学校も卒業で一人暮らしをするそうです。

 「え?目が見えないのに一人暮らし?大丈夫?」

 と、私なんかはつまらない心配をして、

 「区役所の障害支援課に行って、どういう支援が使えるのか相談した方がいいよ」

なんて言ったりしたのですが、

 「大丈夫、近くに友だちがいればなんとかなります。知らない人に来てもらうより、その方がずっといい」

 「料理は?」

 「なんとかなります」

と、なんの不安もないようでした。

 

 びっくりしたのはiPhoneを全く普通の人のように使いこなしていたことです。

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 文字を打つのは私の何倍も早く、新しいページをどんどん開いていきます。なんの引っかかりもない画面の上の文字を正確に、しかもものすごいスピードでタッチし、文字を選択していたので、本当にびっくりしました。私は両目があいていてもここまでできないので、いったいどうなってるの、という感じでした。

 iPhoneには音声で読み上げるするアプリが入っているので、それをONにすれば、なんの問題もないといってました。読み上げるスピードが速すぎて、わたしには何を読んでいるのかさっぱりわかりませんでした。

 ぷかぷかのホームページもあっという間に検索し、Facebookページに載っていた「今日のおすすめお惣菜」を調べ、

 「和菓子、おいしそうね」

なんて言ったりして、なんかね、もう負けた、って感じでした。

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アート屋わんどに立ち寄り、大きなガラスの窓にさわって

「あ、クレヨンで描いているのね」

と、自分でも描き始めました。世界をいとおしむように両手でさわる横顔がステキでした。

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おひさまの台所で

「あれ、チカちゃんじゃない」

とお母さんがいい、珠美さんと小学校でいっしょだったそうです。10年ぶりくらいの再会でした。

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 目が見えなくても、私以上にたくましく生きる珠美さんに脱帽でした。 

今日もブルーベリー

 今日もブルーベリー狩りに行きました。

 トーテムポールのおじさん、今日も静かに森を見つめていました。

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 晩年はこういう生き方をしたいと思いましたね。

 

この近くで子どもたちに絵本を読んでいる人たちがいました。こんな環境で本を読んで聞かせるなんて、そのセンスがすばらしいと思いました。

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 ブルーベリーはまだまだたくさんありました。

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 ブルーベリー狩りができるのは今月末までです。ぜひ採りに行って下さい。

 

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 ブルーベリーデニッシュ、ブルーベリージャム、好評発売中です。

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おしゃべりな森・ワークショップ

 昔町田養護学校でのワークショップで知り合った金子さんをお呼びして「おしゃべりな森・ワークショップ」をやりました。「おしゃべりな森」ってどういう意味なんだろうって思っていましたが、やってみてわかりました。みんなで描いた森に、たくさんの物語が生まれ、これはまさしく「おしゃべりな森」だと思いました。大きな紙と絵の具と色鉛筆と切り抜いた厚紙があればこんな楽しいことができるんですね。いい時間を過ごすことができました。

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参加した方からの感想

今日は、『おしゃべりな森』のワークショップを開催いただきありがとうございました。
みんなで一緒になにかひとつのことをつくりあげるという体験。
(実際には3枚に分かれてましたが、もっと大きな1枚でもよかったと思います)
最近、学力の向上のために左脳ばかり使ってきていた長女にとっても
楽しく、自分を解放できる機会になったと思います。
はじめは枠に沿って...そしてノッてきたところで枠を外し、自由に個性的に
大胆に、思いつきでどんどんアイディアを膨らませていかせるあたりに
金子さんの誘導の素晴らしさを感じました。
(いきなり、「自由に森を描いて」と言われても困る人が多いと思うのでー笑ー)
またこのような体験の機会がありましたら、参加させたいと思います。
ありがとうございました!

 

 

9月12日(土) 朝10時〜 みんなで大きなクジラを描くワークショップをやります。10名募集します。申し込みはわんどまで。

 

今日は涼しくて快適なブルーベリー狩り

 今日もブルーベリー狩りに行きました。雨上がりのせいか、今日はちょっと涼しくて快適なブルーベリー狩りでした。

 

 広い谷のそばのこの道が大好きです。

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朽ちたトーテムポールのおじさん、今日もこうやって谷間を眺めていらっしゃいました。静かなたたずまいが本当にいいですね。

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峠を下って、もうすぐ畑です。

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ようやく畑でブルーベリー狩り

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ブルーベリーはまだまだたくさんあります。ぜひお出かけ下さい。

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管理しない接客だからこそ、思いもよらない出会いが…

  本の原稿を書きました。

 

 カフェを始めるとき、接客の仕方がわからないので、講師を招いて接客の講習会をやりました。2時間くらいの講習でしたが、確かにいわれたとおりにやれば、それなりに上手な接客ができます。でも、なんかおもしろくない気がしました。要するにマニュアル通りやりなさいという話で、マニュアル通りやる、というのは、個性を出してはだめ、ということです。彼らの個性、持ち味が出せないのであれば、彼らが接客する意味がなくなるので、講習会は一回でやめました。(このときの判断が、今から思えばすごくよかったと思います。マニュアル通りにする管理された接客をしない、ということが、今のぷかぷかの雰囲気を作り出していると思うからです。)

 彼らの持ち味を生かす、ということは、こちらがとやかく言わずに、彼らに任す、ということです。言い換えれば「管理しない」と言うことです。

 管理しないので、普通に考えればあり得ないような接客もあります。でもそれ故に思いもよらない出会いをした方がいました。

 

 ウィルスに感染したと表現するお客さんの話です。

 

 子供2人を連れてカフェでランチを食べていました。お客さんは私の家族と他にもう一組だったかと思います。

お天気も良く明るくゆったりとした空気の中で

「おいしいねー」

「もう1回チョコパンとチーズのパンおかわりしたい」

などと子供と話をしていました。

 そしたら厨房の小窓のカーテンが急にシャッ!と開き、ニコニコ笑顔にマスクの方が

「おいしいかい!?」

と聞いてきました。

 一瞬何が起こったのかわかりませんでしたが、とっさに

「美味しいです!」

と負けじと大きな声で答えました。

 その方は、そうだろうと言わんばかりにニコニコのまま

「フフ〜ン」

と笑い、カーテンを閉めました。

  多分10秒程のできごとでしたが、この思ってもみない楽しいやりとりで、また食べに来ようと思いました。

 ぷかぷかウィルスに感染したのは、多分この時だと思います。

 

 これがきっかけでその方はぷかぷかパン教室に来るようになり、

いろいろお話をし、今はスタッフのひとりとして毎日彼らと一緒に楽しく働いています。

 「ウィルス」という言い方がいいですね。そうとしかいいようのないものが

「ぷかぷか」にはあるんだと思います。

 「ぷかぷかのファンです」とおっしゃるお客さんが最近増えていますが、

こういう方も多分ウィルスに感染したのではないかと思います。

 

 にしても、「おいしいかい!?」のひとことで、お客さんの心をわしづかみにしてしまうなんて、超人的接客だと思いました。

 

「おいしいかい!?」

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 「おいしいかい!?」なんて言う言葉も、管理していない環境だからこそ、ぽろっと出てきたのだと思います。普通はお客さんに向かってこんな言葉は使いません。

 でも、そのとき、厨房にいたマツイさんはお客さんがあんまりおいしそうに食べてるので、なんだかうれしくなって、ついカーテンをシャッとあけ、ニカーッと笑いながら

「おいしいかい!?」

なんて言ったんだろうと思います。聞いたお客さんも、

「え?!」

とか思いながらも、マツイさんの投げかけた言葉の、なんとも言えないおかしさ、あたたかさに、クスッとしながら、負けずに大きな声で

「おいしいです!」

って、応えたんだろうと思います。マツイさんは、そうだろうといわんばかりに

「フフ〜ン」

と笑い、カーテンを閉めたようです。

 その余韻の中で、お客さんは

「また来よう」

って思ったというのですから、おもしろいですね。この一瞬のやりとりで、ぷかぷかのウィルスに感染してしまったとお客さんは言ってました。

 

 こういう思ってもみない、全く想定外の、楽しい、あたたかな出会いは、管理された空間からは絶対に生まれません。

 もちろんこの一瞬のやりとりがいつもうまくいくとは限りません。事実カフェのお客さんで利用者さんの言葉に不愉快な思いをしてクレームをつけた方もいます(「よく食べますねぇ」と正直に感想を言っただけなのですが、お客さんにとっては気に触る言葉だったようです)。でも、だからやはり管理が必要だ、というのではなく、そういったリスクを抱え込みながらも,なお、彼らの持ち味を生かすお店、彼らの持ち味にふれ、お客さんの心がキュ〜ンとあたたまるようなお店にしたいと思うのです。

 

 

 カフェのお客さんで「彼らの接客にふれると心が癒やされます」とおっしゃる方が最近えているのですが、私にとっては思いもよらない評価の言葉でした。彼らの個性をそのまま出したそれほどうまくもない接客がお客さんの心を癒やしている、ということ。これは彼らの立ち居振る舞いがそのままお客さんの心を癒やしている、ということになります。

 それはどうしてなんだろう、ということを私たちはきちんと考えておきたいと思うのです。障がいのある人たちは「なんとなくいやだ」「怖い」「何をするかわからない」といった形で、社会から締め出されていることが多いなかで、どうしてぷかぷかだと心を癒やしてくれる存在になるのか、ということです。そのことをきちんと考えていくことは、お互いがもっと生きやすい地域社会がどうやったら実現できるかにつながっていくと思います。

 

 カフェだけでなく、パン屋、外販、お惣菜屋、すべて接客は利用者さんにお任せしています。マニュアルがないので、みんな自由にのびのびと接客をしています。その雰囲気がお客さんの心を癒やしているようです。

 区役所の外販でぷかぷかが一番お客さんを集めているのも、みんな楽しそうに仕事やっているからだと思います、と区役所の方がおっしゃっていました。楽しく仕事をする、ということが仕事をする側にとってはもちろん、お客さんにとっても、とても大事なことがよくわかります。

 

 きちんとマニュアルに沿って正しい接客をさせている(しっかり管理している)福祉事業所のパン屋、カフェに行ったお客さんが

 「ぷかぷかに来るとなんだかホッとするわ」

とおっしゃったことがありましたが、管理されたお店は、お客さんにとっても息苦しいのだと思います。

「なんだかホッとする」

という言葉こそ大事にしたいと思うのです。そういう空間を彼らは自然に作り出してくれます。そのことをどこまで信頼し抜くか、だと思います。

 そして、この「なんだかホッとする」という感覚こそが、ぷかぷかが地域の人たちにとって大切な場になっている理由だと思います。

 

陶芸教室やりました。

陶芸教室をやりました。作ったのはお地蔵さん、マイカップ、花瓶です。お地蔵さんはいつも私が最初にモデルを作るのですが、そのモデルが恥ずかしくなるようななんとも味のある楽しいお地蔵さんを作ってくれました。この造形力はなんなんでしょうね。

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次はマイカップ。

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花瓶を作ります。

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9月半ばくらいに焼き上がります。アート屋わんどに並べておきますので、ぜひ見に来てください。

 

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